導入事例

電子顕微鏡を作ったので、いろいろなものを拡大してみた。part1 - ノーカーボン紙による転写の原理

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電子顕微鏡を作ったので、いろいろなものを拡大してみた。part1 - ノーカーボン紙による転写の原理

宅配便の送り状や伝票、領収書の転写には従来はカーボン紙が利用されてきました。その後、用紙の裏側に直接カーボンを塗布した複写用紙が普及し、ついにはカーボンを使わないノーカーボン紙が誕生しました。
このノーカーボン紙は文字通りカーボン(炭素)を使わずに転写できるようになっています。

今回SEMで見たのは記入前のノーカーボン紙の裏側でした。

SEM画像(ノンカーボン紙記入前)

では次に、記入後のノーカーボン紙を見てましょう。

SEM画像(ノンカーボン紙記入後)

丸かった粒子が割れてつぶれていますね。
実は丸かったものは染料を閉じ込めたカプセルだったのです。
ペンでなぞった部分だけ、カプセルが破壊され中の染料が流れ出します。この染料は通常は無色のためノーカーボン紙は白く見えますが、下側の記入される方の紙には特殊な薬液が塗布されており、この薬液と染料が反応して色が出ます。

ノンカーボン紙のしくみ

では、実験です。
ノーカーボン紙の下に普通の紙をはさんで文字を記入した場合、本当に文字は映らないでしょうか?
答えはぜひ、ご自身で確かめてみてくださいね!

電子顕微鏡 Precision SEM 3500