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用語集

1. AWG(アメリカン・ワイヤー・ゲージ)とは

AWG(American Wire Gauge)とは、米国や国際的なエレクトロニクス業界で広く用いられている電線の太さ(導体径)を表す規格です。

JIS規格などで使われる「SQ(スケア=mm2:断面積)」とは異なり、AWGは「導体の直径」をベースに番号が決められています。元々は「太い素線をダイス(穴)に通して引き抜く工程を何回繰り返したか」に由来しているため、「番号が小さくなるほど電線は太く(電流容量が大きく)なり、番号が大きくなるほど電線は細く」なるという特徴があります。

電源装置と負荷を結ぶ配線を選定する際は、許容電流だけでなく電圧降下(配線による電圧ロス)を抑えるためにも、適切なAWGサイズの選定が不可欠です。

2. AWG・SQ 対照および許容電流表

以下の表は、一般的な機器内配線におけるAWGと国内主要規格(SQ)の近似換算、および仕様の目安です。

ゲージ
A.W.G
導体直径
(inch)
導体直径
(mm)
導体の断面積
(mm2)
抵抗値
(Ω/km)
最大電流
(A)
0000 0.4600 11.6840 107 0.1607 302
000 0.4096 10.4038 85.0 0.2027 239
00 0.3648 9.2659 67.4 0.2555 190
0 0.3249 8.2525 53.5 0.3224 150
1 0.2893 7.3482 42.4 0.4064 119
2 0.2576 6.5430 33.6 0.5127 94
3 0.2294 5.8268 26.7 0.6462 75
4 0.2043 5.1892 21.1 0.8151 60
5 0.1819 4.6203 16.8 1.0276 47
6 0.1620 4.1148 13.3 1.2959 37
7 0.1443 3.6652 10.6 1.6341 30
8 0.1285 3.2639 8.37 2.0605 24
9 0.1144 2.9058 6.63 2.5981 19
10 0.1019 2.5883 5.26 3.2764 15
11 0.0907 2.3038 4.17 4.1328 12
12 0.0808 2.0523 3.31 5.2086 9.3
13 0.0720 1.8288 2.63 6.5698 7.4
14 0.0641 1.6281 2.08 8.2820 5.9
15 0.0571 1.4503 1.65 10.4435 4.7
16 0.0508 1.2903 1.31 13.1725 3.7
17 0.0453 1.1506 1.04 16.6099 2.9
18 0.0403 1.0236 0.823 20.9428 2.3
19 0.0359 0.9119 0.653 26.4073 1.8
20 0.0320 0.8128 0.519 33.2920 1.5
21 0.0285 0.7239 0.412 41.9840 1.2
22 0.0253 0.6426 0.325 52.9392 0.92
23 0.0226 0.5740 0.259 66.7808 0.729
24 0.0201 0.5105 0.205 84.1976 0.577
25 0.0179 0.4547 0.162 106.1736 0.457
26 0.0159 0.4039 0.128 133.8568 0.361
27 0.0142 0.3607 0.102 168.8216 0.288
28 0.0126 0.3200 0.08 212.8720 0.226
29 0.0113 0.2870 0.0647 268.4024 0.182
30 0.0100 0.2540 0.0507 338.4960 0.142
31 0.0089 0.2261 0.0401 426.7280 0.113
32 0.0080 0.2032 0.0324 538.2480 0.091
33 0.0071 0.1803 0.0255 678.6320 0.072
34 0.0063 0.1600 0.0201 855.7520 0.056
35 0.0056 0.1422 0.0159 1079.1200 0.044
36 0.0050 0.1270 0.0127 1360.0000 0.035
37 0.0044 0.1143 0.0103 1715.0000 0.0289
38 0.0040 0.1016 0.00811 2163.0000 0.0228
39 0.0035 0.0889 0.00621 2728.0000 0.0175
40 0.0031 0.0787 0.00487 3440.0000 0.0137
※1 参考許容電流の条件について

表中の許容電流は、一般的な機器用ビニル電線(導体最高許容温度105°C)、周囲温度30°C、空中1条(単独)配線時の計算値です。実際の設置環境(周囲温度や束ねる本数)に応じて、後述の「補正係数」を掛け合わせて安全な電流値を算出してください。また、長距離配線時は電圧降下(往復の抵抗成分によるロス)も考慮してワンサイズ太い電線を選定してください。

3. 単線(Solid)と撚り線(Stranded)の違い

AWG規格が同じであっても、電線の内部(導体)の構造には「単線」と「撚り線(よりせん)」の2種類があり、用途によって使い分けられます。

  • 単線(Solid):

    1本の太い銅線で構成された電線です。電気特性が安定しており基板や端子台への接続に適していますが、硬いため曲げにくく、繰り返しの折り曲げ(可動部)には向きません。

  • 撚り線(Stranded):

    細い素線を複数本ねじり合わせて1本の電線にしたものです。非常に柔らかく柔軟性があるため、電源装置の内部配線や、曲げが頻繁に発生する箇所の配線には主にこの撚り線が使用されます。

実務での注意点

撚り線は素線同士の隙間があるため、同じAWG番号(断面積)であっても、単線に比べて「電線全体の仕上外径」がわずかに太くなります。 筐体の配線穴やコネクタ・圧着端子を選定する際は、導体断面積(mm2)だけでなく、電線の実際の仕上外径を必ずご確認ください。

4. 周囲温度および敷設条件による補正係数

電線に電流が流れると、自身の抵抗によって発熱します。周囲の温度が高い場所や、電線を結束バンドで束ねて(多条敷設)配線する場合、熱がこもりやすくなり電線の絶縁被覆が劣化・溶解するリスクが高まります。

そのため、実務では環境に応じて以下の「電流減少係数」を参考許容電流に掛け合わせ、流せる電流の上限を下げて(デレーティングして)設計する必要があります。

① 周囲温度による補正係数(Kt)

周囲温度が30°Cを超える場合、以下の係数を掛けて許容電流を縮小します。(耐熱105°C電線の目安)

周囲温度 30°C以下 40°C 50°C 60°C
補正係数 1.00 0.93 0.85 0.77

② 束ねる本数(多条敷設)による減少係数(Kn)

電線をまとめて結束したり、同一の配線管・ダクトに通す本数に応じて以下の係数を掛けます。

束ねる本数 1本(単独) 2〜3本 4本 5〜6本
減少係数 1.00 0.70 0.63 0.56
計算例:
AWG18(参考許容電流 15.0 A)の電線を、「周囲温度50°C」の環境で「3本束ねて」配線する場合。 実際の許容電流 = 15.0 A x 0.85(温度係数) x 0.70(本数係数) = 8.925 A したがって、この環境では最大でも 8.9A までしか流せなくなります。安全な電源システムの設計のために、このデレーティングを必ず考慮してください。
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