Search waiting|松定プレシジョン

検索中...

用途・事例

超音波技術は、工業製品の製造から医療診断まで、現代社会のさまざまな分野で利用されています。超音波による加工、洗浄、溶着、非破壊検査、医療診断などの性能は、超音波振動子(Ultrasonic Transducer)を駆動する電源・発振器の性能に大きく左右されます。
本ページでは、超音波の基礎知識と、その性能を最大限に引き出すために必要な電源技術について解説します。

超音波(Ultrasonic)とは?

超音波とは、人間が耳で聴くことができる周波数帯域(可聴域:一般的に20Hz~20kHz)を超える周波数を持つ音波のことです。

音波は空気、液体、固体などの媒質中を伝わる機械的振動であり、超音波もその一種です。一般的に20kHz以上の音波を超音波と呼び、産業用途では20kHz~数MHz、医療診断用途では数MHz~数十MHzの周波数帯域が広く利用されています。

超音波は高い指向性を持ち、物体に当たると反射・吸収・透過する特性があります。この性質を利用して、加工、洗浄、溶着、計測、検査、医療診断などのさまざまなアプリケーションが実現されています。

超音波(Ultrasonic)の原理

超音波を発生させるためには、圧電素子を組み込んだ超音波振動子(Ultrasonic Transducer)が広く利用されています。

  • 逆圧電効果による超音波の発生

    PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの圧電材料に交流電圧を印加すると、電圧の極性に応じて材料が伸縮します。この現象を逆圧電効果と呼びます。
    高周波交流電圧を加えることで圧電素子が高速に振動し、電気エネルギーを機械的振動エネルギーへ変換して超音波を発生させます。

  • 共振の重要性

    超音波振動子には、形状や材質によって決まる固有の共振周波数があります。
    振動子を共振周波数付近で駆動すると、少ない入力電力で大きな振動振幅を得ることができ、高効率なエネルギー変換が可能になります。そのため、多くの超音波システムでは共振点を維持しながら動作させることが重要となります。

超音波(Ultrasonic)の用途

1. 工業用プロセス・精密加工(高出力用途)

超音波加工(Ultrasonic Machining)

工具先端に超音波振動を与えることで、従来加工が難しかった材料に対して高精度な加工を実現します。

  • セラミックス、ガラス、サファイア、SiCウェハなどの硬脆材料の加工
  • 半導体材料や電子部品の高精度加工
  • 微細穴あけ、切断、研磨加工

超音波切断・切削支援

カッターやドリルに超音波振動を付加することで、工具と被加工物の接触が断続的となり、
  • 摩擦抵抗の低減
  • 切削負荷の軽減
  • バリの抑制
  • 加工精度の向上
を実現します。

超音波溶着(Ultrasonic Welding)

プラスチック部品やフィルムを高周波振動によって接合する技術です。自動車、電子機器、医療機器などの製造工程で広く利用されています。

超音波洗浄(Ultrasonic Cleaning)

液体中で発生するキャビテーションや音響流(Acoustic Streaming)を利用して、部品表面や微細構造内部の汚染物を除去します。

超音波霧化(Ultrasonic Atomization)

液体に超音波振動を与えることで微細なミストを生成します。塗布装置、加湿器、医療機器などに利用されています。

2. 計測・検査用途

非破壊検査(NDT)

超音波を材料内部へ伝播させ、その反射波を解析することで、内部欠陥や亀裂、剥離などを検出します。

距離計測・位置検出

超音波の伝搬時間を測定することで、対象物との距離や位置を高精度に検出できます。

  • レベル計
  • 距離センサ
  • 近接センサ

などに広く採用されています。

超音波流量計

流体中を伝播する超音波の時間差や周波数変化を利用して、流量を非接触で測定します。

3. 医療用途

超音波診断装置(エコー)

体内へ超音波を送信し、反射波を解析することで内部組織や血流状態を可視化します。

治療用超音波

集束超音波や高強度超音波を利用し、組織治療や医療処置を行います。

超音波アプリケーションと電源ソリューション

超音波(Ultrasonic)に必要な電源

超音波振動子を効率よく駆動するためには、一般的なDC電源やAC電源ではなく、超音波ドライバ(Ultrasonic Generator)や超音波発振器(Ultrasonic Power Supply)と呼ばれる専用電源が必要です。

用途によっては数十Vから数百V、さらにはkV級の高周波電圧を安定して供給する技術が求められます。

電源に求められる機能と特性

1. 広範な周波数帯域制御

用途に応じて20kHzから数MHzまでの高周波交流電圧を生成し、最適な周波数で超音波振動子を駆動する必要があります。

2. インピーダンスマッチング

用途に応じて20kHzから数MHzまでの高周波交流電圧を生成し、最適な周波数で超音波振動子を駆動する必要があります。

適切なマッチングが行われない場合、
  • 電力伝達効率の低下
  • 発熱の増加
  • 出力不足
などの問題が発生します。

特に高出力の超音波加工装置や超音波溶着装置では不可欠な技術です。

3. 波形制御と安定性

用途に応じて最適な波形生成が求められます。

非破壊検査用途
  • 高電圧パルス駆動
  • 短パルス生成
  • 高速立上り特性
医療用途
  • 低ノイズ
  • 高安定周波数制御
  • 高精度パルス制御

4. 自動追従機能(オートチューニング)

超音波振動子の共振周波数は温度変化や負荷変動によって変化します。
そのため、高性能な超音波発振器では、電圧と電流の位相差やインピーダンス変化をリアルタイムで監視しながら最適な共振周波数へ自動追従します。

これにより、
  • 振動効率の向上
  • 発熱の低減
  • 安定した出力維持
を実現できます。

超音波システムにおける電源の重要性

超音波システムの性能は、超音波振動子だけでなく、それを駆動する電源・発振器の性能によって大きく左右されます。

高効率なエネルギー伝達、高精度な周波数制御、安定した出力供給を実現することで、加工品質や検査精度、生産性の向上につながります。

松定プレシジョンでは、超音波振動子や圧電素子などの駆動に使われる高圧電源をはじめ、超音波ドライバなどの各種コントローラに組み込まれる電源モジュールを幅広くラインナップしています。お客様の超音波アプリケーションに応じて、最適な動作を実現する電源ソリューションをご提案いたします。

関連ワード:
  • 超音波
  • 超音波振動子
  • 圧電素子
  • 超音波発振器
  • 超音波電源
  • 超音波洗浄
  • 超音波溶着
  • 超音波加工
  • 非破壊検査
  • 共振周波数
  • ピエゾドライバ
  • 圧電トランスデューサ