はい、観察可能です。ただし、金属と樹脂のようにX線の吸収率が大きく異なる材料が混在する複合材料の検査は、X線CTにとって注意すべきサンプルの一つです。
これらの材料を撮影すると、X線を強く吸収する金属の影響で「メタルアーチファクト」と呼ばれる線状のノイズや、画像の歪みが発生しやすくなります。例えば、金属インサート成形品では、金属部品の周囲で樹脂の様子が不鮮明になったり、電子基板では、はんだ部分のアーチファクトが他の部分の観察を妨げたりすることがあります。
この課題に対し、松定プレシジョンのX線CT装置では、まず安定したX線源と高感度な検出器を用いて質の高い基礎データを取得します。その上で、ソフトウェアに搭載されたアーチファクト低減アルゴリズムを用いて、撮影データから画像の乱れを効果的に抑制します。この画像処理技術により、従来は観察が難しかった金属と樹脂の境界部分の視認性を高めることができます。
この結果、金属インサート成形品における樹脂の充填状態やボイドの確認、プリント基板におけるBGAのはんだ接合状態の評価などを、より正確に行うためのサポートをします。吸収率が大きく異なる材料を含むサンプルの検査でお困りでしたら、ぜひ一度ご相談ください。サンプルに合わせた最適な撮影条件をご提案します。
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