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放射能と放射線、放射性物質はどう違う?トップイメージ

放射能と放射線、放射性物質の違い

放射能や放射線、X線といった言葉を聞いた経験がある人は多いと思います。もしかすると、どこか怖いイメージがあるかもしれません。しかし放射能や放射線は、私たちの暮らしに身近に存在し、私たちの暮らしを支えてくれるものでもあります。

まずは放射能や放射線、放射線物質の言葉の意味と、その違いについて解説します。

放射線
高エネルギーの粒子線や電磁波の総称。放射性物質から出るガンマ線や電子線の衝突により発生するX線の電磁波と、α線などの粒子放射線がある
放射能
放射性物質が放射線を出す能力
放射性物質
放射線を出す物質(放射能と表現されることもあります)

電球と光の関係に例えると、放射線は電球から発される光、放射性物質が電球、そして放射能は光を出す力になります。電球は古くなってくると光を出す力が減ってきます。そのため光が弱くなったり、光らなくなったりします。放射性物質も同じように、放射線を出し続けると放射能が減衰し、放射線の量が減っていきます。

また、電球が光を発するパーツとその補助パーツから構成されるように、放射性物質には、放射能を持つ元素と、放射能を持たない元素が結合しているケースもあります。

放射線は原子核の崩壊により発生します。放射線は大まかに粒子放射線と電磁放射線の2種類に分けられます。原子核を構成する陽子や中性子、電子などの粒子が放出されるのが粒子放射線です。原子の状態の変化に伴い、余分なエネルギーが電磁波として放出されるのが電子放射線です。

電離放射線は電磁波の一種で、同じ電磁波の仲間である電波やマイクロ波、紫外線に比べてエネルギーが高く、波長が短いのが特徴です。そのため、照射されたものを電離させる力を持っています。放射線は種類によって透過能力や波長の長短が異なります。

放射線はどこで生まれる?

※環境省ホームページを元に作成

代表的な発生源 波長 電離密度 透過力 特徴
電磁放射線 γ線 セシウム137 ~10pm 高エネルギー状態の原子核がエネルギーを放出し、安定した状態に移行しようとする際に発生。
鉛やコンクリートなど、比重の大きい物質によって弱められる。
X線 X線管 1pm~10nm 原子核の外側を回転している電子が軌道を変えた際に、余ったエネルギーが電磁波として放出されるもの。
高密度な物質ほど透過しにくい特徴を持ち、レントゲンなどに使用。
鉛やコンクリートなど、比重の大きい物質によって弱められる。
粒子放射線 α線 ラジウム226 原子核が崩壊し、陽子2個と中性子2個の塊(ヘリウム原子核)が飛び出したもの。
紙1枚や皮膚により遮へいできる。
β線 ヨウ素131 原子核の外側を回転している電子が外に飛び出したもの。電子線とも呼ばれる。
電子そのものであるため、金属に吸収されやすく、数ミリ程度の薄い金属で遮へいできる。
中性子線 加速器によって発生させる 原子核を構成する中性子を取り出し、加速器を使って放出させたもの。
水素を多く含む、水やコンクリートによって弱められる。

放射線、放射の単位

放射線、放射に関連する単位には、主にベクレル、シーベルト、グレイの3つが挙げられます。それぞれの意味を解説します。

ベクレル
放射能の量を示す単位。放射性物質が1秒間に崩壊する数
グレイ
放射線が1kgの物質に与えるエネルギー量を示す単位
シーベルト
放射線が人体にかかる量(被ばく量)を示す単位
放射線、放射の単位

※環境省ホームページを元に作成

前述では放射性物質は電球に、放射能は光を出す能力に例えました。この例を単位に適用すると、光源の光の強さを表すワット(W)は放射能の量を表すベクレル(Bq)になります。また、物体に当たり明るさとして認識できる光の量、ルクス(Lx)は人が受ける(被ばくする)放射線の量のシーベルト(Sv)になります。

太陽光などに当たって温かいと感じるのは、光とは少し違いますが、エネルギーを表すジュール(J)で表現しましょう。するとこれに相当するのは、放射線が物体に与えるエネルギーの量、グレイ(Gy)になります。

人が受ける(被ばくする)放射線は、光のように身体の外側から来るものばかりではありません。放射性物質を吸い込んだり、摂取したりして体の中から放射線を受けることもあります。そのため人が受ける放射線の量シーベルト(Sv)は、人体に吸収された放射線によるエネルギー量(Gy)にさまざまな係数をかけて求められます。

放射能の半減期について

放射性物質から発生する放射線(X線は除く)は、放射能を持つ元素が放射性崩壊を起こしたときに発生します。放射能を持つ元素は時間が経つにつれて別の元素に変化し、放射能を持たなくなります。放射性物質に含まれる放射能が徐々に崩壊し、元の半数に減るまでの期間を半減期と呼びます。

放射性崩壊は自然に発生するもので、放射能を持つ元素ごとに崩壊の起きやすさが決まっています。半減期は、外部からの物理的、化学的な作用によって変化せず、元素ごとに決まっています。

放射能を持つ元素ごとに半減期が異なる性質を利用しているのが放射性炭素年代測定です。炭素の同位体で放射性物質である14Cは、大気に降り注ぐ宇宙線により作られます。14Cを含む二酸化炭素は、植物や動物が生きているうちは体内に一定量保たれますが、死を境に半減期に従って減少していきます。

よって、生きている動植物に含まれる14Cと、死んだあとの動植物に含まれる14Cの量を比較すれば、どれくらい前にその動植物が死を迎えたか、つまりその動植物が生きていた時代が判明するのです。

放射線(X線)の利用

放射線はさまざまな場所で使われ、私たちの生活を支えています。特にX線は、物体の密度により透過しやすさが変わるため、物体にX線を照射し、内部を透視するために使われます。特に身近なのは、CTやレントゲンです。CTやレントゲンで骨や病巣が白く浮き上がるのは、その部分が他に比べて密度が高くX線を遮断するため、フィルムが感光せずに残るからです。

また、X線は放射性物質を使わないので、必要な時に必要な量だけ発生させられるため扱いやすく、照射された他の元素を放射性物質に変えてしまう能力もありません。そのためX線によって新たな放射能が発生することはなく、安全に使用することができます。

このようなX線の性質は、医療分野だけでなく産業分野にも広く使われています。X線を用いた非破壊検査では、部品や製品を壊したり分解したりせず、中の様子を観察できます。松定プレシジョンでは、下記ページに紹介するようなX線非破壊検査を展開しています。

松定プレシジョン X線非破壊検査装置一覧

X線非破壊検査

(2020/8/11)

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参考文献

  • 環境省ホームページ
    https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h30kisoshiryo/h30kiso-01-03-01.html
  • 環境省ホームページ
    https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h30kisoshiryo/h30kiso-01-01-01.html