はい、多孔質セラミックスやフィルター、金属3Dプリンタ造形物、活性炭、さらには地質サンプルといった多孔質材料の内部構造、特に空隙率(気孔率)の解析は、弊社のMicro-CTシステムが得意とする応用分野です。
多孔質材料の性能は、内部に存在する空隙(ポア)のサイズ、形状、分布、そしてそれらがどのようにつながっているか(連結性)によって大きく左右されます。例えば、フィルターであれば濾過性能、電池材料であればイオンの移動のしやすさ、生体材料であれば細胞の足場としての機能などが、空隙構造と密接に関係しています。従来の水銀圧入法などの手法では、全体の平均的な情報しか得られませんでしたが、Micro-CTを用いれば、これらの複雑な3次元ネットワーク構造を非破壊で、ありのままに可視化・定量化することが可能です。
弊社のCT装置で取得した高精細な3Dデータに対し、専用の解析ソフトウェアを適用することで、以下のような詳細な解析が実現します。
-
空隙率(気孔率)の算出:
サンプル全体または指定した任意の領域において、材料の実質部分と空隙部分の体積比率を算出します。
-
空隙の分布評価:
空隙がサンプル内で均一に分布しているか、あるいは特定の場所に偏在しているかを3次元マップとして可視化できます。
-
個々の空隙の解析:
一つ一つの空隙の体積、表面積、球相当径などを算出し、サイズ分布のヒストグラムを作成できます。
-
連結性解析:
空隙同士がどのようにつながっているかをネットワークとして解析し、流体の透過性や材料の機械的強度を予測するための重要な知見を得ることができます。
これらの解析を通じて、材料の性能と内部構造との相関関係を深く理解し、より高性能な材料の開発や製造プロセスの最適化を強力にサポートします。
多孔質発泡体のセル構造評価にはフォーム解析機能をオプションにてご用意しております。
- 関連ワード