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技術コラム

X線は電磁波の一種です。電磁波にはX線の他に、可視光線(光)や紫外線、赤外線、マイクロ波などの電波といったものも含まれます。次の図でもわかるように、X線は目で見える可視光線の波長や紫外線の波長よりも短くなっています。

X線とは(基礎知識)|X線の波長と電磁波の種類を表しています。

光はモノがあると遮られその先には届きませんが、X線は、波長が短く大きなエネルギーを持つので、物質を構成する原子を通り抜けることができます。この作用が透過作用と呼ばれレントゲン写真や非破壊検査(入味検査、異物検査などのX線検査装置)に応用されています。さらにX線CTでは、360度回転させて得られた透過画像から断面画像や立体画像を得ることができます。

また、X線と同じように波長の短い電磁波にガンマ線があります。X線は原子核の外側で発生した電磁波で、 ガンマ線は、放射性物質等の原子核内で発生した電磁波という違いがあります。X線やガンマ線は放射線(電離放射線)とも呼ばれ、他にもアルファ線やベータ線があります。アルファ線やベータ線もガンマ線と同様に原子核から発生しますが、電磁波ではなく荷電粒子線に分類されます。放射線に関する詳しい内容は、"放射能と放射線、放射性物質はどう違う?"をご参照下さい。

X線を発生させるには、真空管の一種であるX線管を用います。X線管は、陰極と陽極の間に高電圧を印加し、陰極のフィラメントで発生した熱電子を高電圧でアノード(陽極)に衝突させX線を発生させます。X線管の種類や分類などの詳細はこちらをご参照下さい。
用途・事例:X線源(X線管)
技術コラム:X線管の種類と電源

X線管に印加する電圧を高くすれば、より波長の短いX線が発生し、透過力が高くなります。 また、陽極のX線焦点サイズにより次の様な呼び方をしています。

  • ミリフォーカスX線

    X線の焦点サイズが、1mm程度のX線管。マイクロフォーカスの比較として呼ばれることはありますが、あまり一般的な呼称ではありません。ミリフォーカスX線管を使ったX線検査装置は、幾何拡大率(倍率)が5倍以下で使用されます。分析装置や拡大撮影しない医療用CT、レントゲン装置などではさらに大きな焦点のX線管が使われます。

  • ミニフォーカスX線

    X線の焦点サイズが100μから1mm程度のX線管。マイクロフォーカスよりも低倍率の拡大撮影する場合に用いられます。幾何拡大率が10倍程度までで使用出来ます。

  • マイクロフォーカスX線

    X線の焦点サイズが10μメートル以下のX線管。拡大撮影してもクリアな画像が得られ、電子部品などの微細な検査に使われます。最大幾何拡大率が10倍から100倍までの装置で使用されます。
    マイクロフォーカスX線の詳細は、コラム:"マイクロフォーカスX線"をご参照ください。

  • ナノフォーカスX線

    X線の焦点サイズが1μメートル以下のX線管。サブミクロンX線ともよばれ、主に開放型のX線管で実用化されています。拡大しやすくするようにFODの短い透過形のターゲットとなっています。

幾何拡大率やFODの説明は、"X線の測定原理"をご覧ください。

松定プレシジョンでは、X線管ユニットやX線非破壊検査機器、C線CTスキャナを製造販売しております。
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