技術コラム

クレストファクタとは波効率のことで、交流電源での品質パラメータの一つと言えます。

電気の世界では、商用交流電源の入力電流の状態(コンセントに電気機器を繋いだ際に流れる電流の状態)を示すのに使われていて実効値に対するピーク値の比率で示しています。

式で表すと次式で表わせます。

クレストファクタ=ピーク値(Apk)/実効値(Arms)

各波形のピーク値を1とした時


普段、電気製品をコンセントにつなぐ際に電流値を気にする事は殆ど無いかもしれません。
ましてやクレストファクターを意識することは、なおさらないと思います。
では何故、クレストファクターを考慮する必要があるのでしょうか?

クレストファクタが高い状態を"力率が悪い"と言い、以下のような問題を引き起こすことがあります。

  • 受電設備での発熱、焼損
  • 電子機器の誤動作
  • 皮相電力が大きくなり入力電流が増加

クレストファクタが高い状態は上の式を見て分かるように、分子のピーク値が大きいほどクレストファクタの値が大きくなります。ピーク値が高い波形とは下図のような電流が鋭く尖ったような流れ方をするときに起こります。
これは主にコンデンサインプット型と言われる回路方式を用いた際に現れます。

クレストファクタ


鋭く尖った電流はコンデンサに大きな電流を流します。そして繰り返し大きな電流が流れたコンデンサは唸り音がしたり、発熱や時には焼損に至ることがあります。これが1番めの問題点です。

また、鋭く尖った電流波形は高い周波数成分を含みます。
電子機器の中には高い周波数成分に反応し誤動作を引き起こすこともありえます。

3番めは式からも分かるようにクレストファクターが高いとピーク電流が大きいため、配線もそれに応じて太くする必要があります。クレストファクタを考慮せずに、電流=電力/電圧で求めてしまうと配線の電流容量が不足し発熱の原因や配線のインピーダンスにより電圧波形の歪にもつながります。

これらの欠点を防ぐため、力率改善回路(PFC)を利用し、入力電流を正弦波に近づけて、ピーク電流を低減させる機能があります。
しかしPFCにも効率があるのでその選択は一長一短です。使用環境や使い方を含め当社の営業担当に相談頂ければお客様にマッチした電源をご提案いたします。