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用途・事例

 

検出器と呼ばれているものは、検出器の原理や材料、素子、方法、システム、性能、用途、対象から呼び名が付けられています。同じ検出デバイスでも検出対象が異なれば呼び名が違いますし、同じ検出対象でも検出方法が異なる場合もあります。ここでは、主に高電圧を使う検出器について分類し解説しています。

分類 日本語名称
(英語名称)
略称 概要 電圧など
光電子増倍管
(フォトマルチプライヤーチューブ)
(Photomultiplier tube)
PMT 光電子増倍管は、微弱光を高感度で検出できる真空管式の検出器です。光を入射窓の光電面で電子に変換して電子増倍管部で信号を増幅します。詳しくは、 光電子増倍管(PMT)をご覧ください。 1000~2000V
マルチピクセルフォトンカウンター MPPC
(Multi-pixel photon counter)
MPPC MPPCはSi-PMと同じです。 Si-PMの項参照。一般的には、Si-PMと呼ばれています。浜松ホトニクス社ではMPPCという名称で販売しています。 20~100V
シリコンフォトマルチプライヤー Si-PM
(Silicon photomultiplier)
Si-PM Si-PMとは、半導体検出器のアバランシェフォトダイオードの増倍原理に基づいて動作する光検出器です。従来の光電子増倍管よりも小型で、PMTに近い感度があり、低い電圧で動作します。 20~100V
フォトダイオード
(Photodiode)
PD フォトダイオードは、最も一般的な光検出素子で、PDと略されることもあります。光を電気信号に変換するデバイスで、光通信の光ディスクの受光部などにも使われています。
フォトダイオードと、PINフォトダイオード、APDの違いは、 フォトダイオードをご覧ください。
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光、(放射線) ピンフォトダイオード
(PIN photodiode)
PIN-PD ピンフォトダイオードとは、P型半導体とN型半導体の間にI層(真性領域)のある構造のフォトダイオードで、PIN-PDとも略されます。逆バイアス電源を必要とし、高速応答性に優れています。主に、光通信の検出器として使われています。また、X線の検出素子としても使われています。詳しくは、下記のページをご覧ください。
 https://www.amptek.com/products/x-ray-detectors/sipin-x-ray-detectors/sipin-x-ray-detectors
フォトダイオードと、PINフォトダイオード、APDの違いは、 フォトダイオードをご覧ください。
100V~200V
アバランシェフォトダイオード
(Avalanche photodiode)
APD アバランシェフォトダイオードとは、信号増幅機能のある光検出素子です。Si-APDとInGaAs-APDがあります。増幅機能があるので微弱光の測定に使われます。逆バイアス電源を必要とし、Si-APDでは数百ボルトの直流電源が必要です。InGaAs-APDは、低いバイアス電源で動作し光通信に使われます。信号増幅機能はありますが、Si-PMやPMTほどの感度はありません。
フォトダイオードと、PINフォトダイオード、APDの違いは、 フォトダイオードをご覧ください。
Si-APD 20~200V
InGaAs-APDは5~60V
放射線 サーベイメータ
(Survey meter)
- サーベイメータとは、放射線測定器の総称です。検出方法の違いにより電離箱式サーベイメータ、GM管式サーベイメータ、シンチレーション式サーベイメータなどがあります。 -
放射線 電離箱、
イオンチェンバ
(Ionization chamber, ion chamber)
- 電離箱やイオンチェンバとは、放射線検出装置の一種です。同様の検出器に、比例計数管(プロポーショナルカウンタ)とGM管があり、印加する電圧により得られる信号が異なります。電離箱領域で印加される電圧は、+30V~+300V程度です。
電離箱について、詳しくは 電離箱をご覧ください。
+30~+300V
放射線 プロポーショナルカウンター
(比例計数管)
(Proportional counter)
PC プロポーショナルカウンター(比例計数管)とは、電離放射線の検出器の一種です。電離箱と同じ様に、検出器内に入った放射線によるイオン対を測定します。放射線の数とエネルギーに比例した電圧パルスが信号として得られます。
比例計数管領域で印加される電圧は、+500V~+2000V程度です。
+500~+2000V
放射線 GM管(ガイガーミュラーチューブ)
(Geiger muller tube)
GM-tube GM管は、サーベイメータに使われる検出器の一種で、ガイガーカウンターとして知られています。GM領域の印加電圧は、構造やガスの種類によって異なり、+400V~+1200V程度が使われています。
詳しくは、 ガイガーカウンターをご覧ください。
+400~+1200V
放射線 シンチレーション検出器
(Scintillation detector)
- シンチレーション検出器は、サーベイメータやエリアモニタなど放射線の測定に用いられる検出器です。シンチレータで放射線を光(可視光)に変換し、光電子増倍管で電気信号に変換して検出します。サーベイメータのシンチレータは、主にNaIとCsIが使われています。放射線のシンチレータは他にも、無機シンチレータやプラスチックシンチレータ、液体シンチレータなどもあります。 1000~2000V
放射線 NaI検出器、
NaI(Tl)検出器
(NaI (Sodium iodide) detector)
NaI NaI検出器は、シンチレーション検出器のシンチレータ部分にNaI(ヨウ化ナトリウム)を用いた検出器です。NaIを使った検出器は高感度で測定できますが、潮解性があり衝撃に弱いので取り扱いに注意が必要です。エネルギー分解能があり、線質と強度による線量への換算が行われている検出器もあります。(スペクトロサーベイメータやスペクトルサーベイメータ、スペクトロラジオメータと呼ばれています。) 1000~2000V
放射線 CsI検出器、CsI(Tl)、CsI(Na)検出器
(CsI (Cesium iodide) detector)
CsI CsI検出器は、シンチレーション検出器のシンチレータ部分にCsI(ヨウ化セシウム)を用いた検出器です。NaIを使った検出器よりは、感度が落ちますが、潮解性が低く扱いやすくなっています。 1000~2000V
放射線 SSD(ソリッドステートディテクター)
(Solid state detector)
SSD SSDとは、放射線の検出器で、X線やガンマ線、中性子線の検出に用いられます。主にSi(Li)検出器のことをSSDと呼んでSEM-EDXの検出器として使われていました。エネルギー分解能に優れていましたが、液体窒素による冷却が必要で検出器が大きく手間がかかる為、使われなくなりました。最近のエネルギー分散型蛍光X線分析装置やSEM-EDXでは、SDD(シリコンドリフトディテクター)が使われています。 300V~600V
放射線 SDD(シリコンドリフトディテクター)
(Silicon drift detector)
SDD SDD(シリコンドリフトディテクター)は、エネルギー分散型蛍光X線分析やSEM-EDXに用いられる放射線の検出器です。素子の面積を大きくしても、エネルギー(波長)の分解能を落とすことなく高感度で検出でき、Si(Li)検出器からこの検出器に置き換わりました。検出素子にドリフトリングと呼ばれるパターンがあるのが特徴です。 100V~300V
放射線 遷移放射検出器
(Transition radiation detector)
TRD 遷移放射検出器(TRD)は、高エネルギー粒子衝突型加速器の実験に使われる粒子検出器です。原子番号の大きな金属の箔とガスなどの境界を荷電粒子が通過する際に発生する遷移放射を、比例計数管やワイヤーチェンバーで検出します。 -
中性子線 中性子検出器
(Neutron detection)
- 中性子の検出器には、シンチレーション検出器、ガス比例計数管、半導体検出器などいくつかの種類があります。中性子線は透過力が強く、中性子は電荷を持たないので、その検出は、物質の原子核との相互作用による反応の測定によって行われます。中性子は、原子力発電などの核反応で重要な役割をはたしています。 -
放射線 Si検出器
(Si detector, Si(Li) detector)
- シリコンディテクタとは、主にソリッドステートディテクターのことを示しています。ただし、広い意味でシリコン半導体素材で出来た検出器をシリコンディテクタと呼んでいる場合もあるので注意が必要です。シリコンディテクタと表現する場合は、主に放射線検出器においてゲルマニウム検出器との比較としても使われます。ソリッドステートディテクタについては、SSDの項目を参照してください。 300V~600V
ガンマ線 ゲルマニウム半導体検出器、Ge検出器
(Germanium detector)
Ge detector ゲルマニウム半導体検出器は、放射線核種を分析できる半導体検出器です。エネルギー分解能に優れ、高分解能のガンマ線分光法でや役立っています。ゲルマニウム半導体検出器は、高純度のゲルマニウム結晶で作られ、液体窒素で-200℃以下に冷却する必要があります。 2000V~5000V
ガンマ線 CZT検出器(テルル化カドミウム亜鉛検出器)
(cadmium zinc telluride (CZT) detector)
CZT CZT検出器とは、放射線を検出する半導体検出器の一種です。CdTeの一部をCdからZnに置き換えたCZT結晶を用いた検出器です。ゲルマニウム半導体検出器と同じガンマ線分光法で使われます。ゲルマニウム半導体検出器と異なり、CZT検出器は常温で動作できます。 500V~2000V
ガンマ線 CdTe検出器(テルル化カドミウム検出器)
(Cadmium telluride (CdTe) detector)
CdTe CdTe検出器とは、カドミウムテルライド(カドテル)を用いた放射線検出器です。ガンマ線やX線などの放射線を効率的に電子に変換でき、検出器だけでなく、放射線用のイメージセンサとしても使われています。 400V~1000V
荷電粒子 荷電粒子検出器
(Charged particle detector)
- 荷電粒子検出器とは、イオン化した原子や電荷を持った素粒子を検出および測定する検出器の総称です。アルファ線やベータ線などの電荷を帯びた粒子(荷電粒子)を検出します。荷電粒子検出器には次の検出器が含まれます。
電離箱、プロポーショナルカウンター、ガイガーミュラーカウンター、ソリッドステート検出器、時間投影チャンバー
-
荷電粒子 電子増倍(管)
(Electron multiplier)
EM 電子増倍管は、真空中で電子やイオンなどの荷電粒子を増幅させて陽極で電流として測定する検出器です。ディスクリートダイノードDiscrete dynode構造と連続ダイノードContinuous dynode構造があります。ディスクリートダイノードは、入射窓に光電面のある光電子増倍管として知られています。 1000V~3000V
荷電粒子 チャンネルエレクトロンマルチプライヤ―(チャンネルトロン、チャンネル電子増倍(管))
(Channel electron multiplier)
channel tron チャンネルエレクトロンマルチプライヤー(CEM)は、チャンネルトロンとも呼ばれる電子増倍管の一種です。真空中で、電子やイオン、フォトンなどの信号を増幅して検出します。 2000V~4000V
荷電粒子 マイクロチャンネルプレート
(Microchannel plate)
MCP マイクロチャンネルプレートとは、無数に穴の開いた円盤状の板で荷電粒子や光信号を増幅する構造をしています。MCPには検出機能がありませんが、他の検出器と組み合わせてMCPと呼ばれたりもしています。
詳しくは、 MCP(マイクロチャンネルプレート)をご覧ください。
100V~1000V
荷電粒子 TOF(飛行時間型)検出器
(Time-of-Flight detector)
TOF TOF(飛行時間)検出器とは、マススペクトロメトリー(質量分析装置)などで用いられる検出方法の一種です。電場をスキャンしたり調整することで、質量による飛行時間の違いから、スペクトルや特定の成分を分析します。検出器には、電子増倍管(EM)やマイクロチャンネルプレートが使われています。静電レンズ用には正極と負極を切り替えられるリバーシブルタイプの高圧電源が用いられています。 静電偏向電圧:
単極、極性反転型、2~10kVなど
検出器:検出器による
荷電粒子 水素炎イオン化検出器(FID)
(Flame ionization detector)
FID 水素炎イオン化検出器(FID)とは、ガスクロマトグラフィーで標準的に使用される検出器です。非常に感度が高く広いダイナミックレンジがあります。イオン化されたサンプルは、検出器の陽極で回収され電気信号に変換されます。 -
荷電粒子 荷電化粒子検出器(CAD)
(Charged Aerosol Detector)
CAD 荷電化粒子検出器(CAD)は、コロナ荷電化粒子検出器とも呼ばれる液体クロマトグラフィー(HPLC)用の汎用検出器です。ネブライザーで噴霧された試料は、溶媒が気化して成分が粒子になります。その粒子にプラスの電荷を与え、電流値として計測します。 -
荷電粒子 イオントラップ検出器
(Ion trap detector)
- イオントラップ検出器とは、質量分析計で使われる検出方法(検出器)です。サンプルから生成されたイオンを補足して分析します。イオントラップ検出器には、四重極イオントラップ、線形イオントラップ、ポールイオントラップなどがあります。 -
荷電粒子 イオン検出器
(Ion detector)
- イオン検出器は、試料のイオンを検出し、成分や量を測定するためのデバイスです。イオン検出器は、化学や生物、物理などの分析装置や、環境モニタリングなどに使われています。イオンの検出には、動作原理の異なるいくつかの種類があります。 -
荷電粒子 ガスイオン化検出器
(Gas ionization detector)
- ガスイオン化検出器は、放射線検出器の一種です。放射線によるガスのイオン化によって生成される電気信号を検出します。放射線測定や、素粒子物理学、核医学、X線分析装置など電離放射線の測定に使われます。ガスイオン化検出器には、以下のものが含まれます。ガイガーミュラー(GM)カウンター、プロポーショナルカウンター(比例計数管)、電離箱 -
荷電粒子 バリア放電イオン化検出器
(Barrier discharge Ionization Detector)
BID バリア放電イオン化検出器(BID)は、ガスクロマトグラフィー(GC)で使用されるイオン化検出器の一種です。揮発性有機化合物(VOC)やイオン化ポテンシャルの低い化合物の分析に役立ちます。
炎イオン化検出器(FID)や電子捕獲検出器(ECD)などの従来の検出器に比べて微量の分析物を高感度で検出できる利点があります。
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荷電粒子 化学発光硫黄検出器
(Sulfur Chemiluminescence Detector)
SCD 化学発光硫黄検出器(SCD: Sulfur Chemiluminescence Detector)は、ガスクロマトグラフィー(GC)で硫黄を含む化合物の検出に特化した検出器です。
硫黄化学発光検出器は、炎光光度検出器(FPD)や炎イオン化検出器(FID)などの他の硫黄検出技術に比べて、高感度とダイナミックレンジが広いという利点があります。
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荷電粒子 四重極型検出器
(Quadrupole detector)
- 四重極型検出器は、質量分析計の一般的な検出器です。質量電荷比(m/z)に基づいてイオンを分離し検出します。四重極の各ロッドにRF電圧やDC電圧を印加し、特定の質量電荷比(m/z)を持つイオンのみが検出器を通過できるようにします。四重極部は、質量フィルターとして機能し、通過したイオンは、電子増倍管などで検出されます。RFおよびDC電圧を変化させることにより、一定範囲の質量電荷比をスキャンでき、質量スペクトルを得ることが出来ます。 -
荷電粒子 炎光光度検出器
(Flame Photometric Detector)
FPD 炎光光度検出器(FPD: Flame Photometric Detector)は、ガスクロマトグラフィー(GC)で硫黄(S)およびリン(P)化合物の検出と定量に使用される特殊な検出器です。これらの元素に対して非常に敏感で、環境分析、石油精製、および硫黄およびリン化合物の存在を監視する必要がある分野で役立っています。
試料は、火炎イオン化のプロセスを通じて励起されたイオンは、基底状態に戻るときに特定の波長の光を発します。この光を光電子増倍管で検出します。
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荷電粒子 熱イオン化検出器
(Flame Thermionic Detector)
FTD 炎熱イオン検出器(FTD)は、ガスクロマトグラフィー(GC)で使用される有機窒素化合物と有機リン化合物の検出に優れた特殊な検出器です。
炭素-窒素結合(CN)を含むサンプルが加熱コイルを通過すると、コイルで生成されたルビジウムラジカルと反応し、イオン化(CN-)が生じます。このプロセスによって生成されたイオン電流が検出されます。
残留農薬など、特定の種類の化合物の分析に非常に効果的です。
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荷電粒子 熱伝導度型検出器
(Thermal Conductivity Detector)
TCD 熱伝導度型検出器(TCD)は、ガスクロマトグラフィー(GC)で最も一般的に使用される検出器の1つです。これは、クロマトグラフィーカラムから溶出する分析物分子の存在によって引き起こされるキャリアガスの熱伝導率の変化を検出する原理に基づいています。
キャリアガスと検体分子を含むキャリアガスの間の熱伝導率の差により、ホイートストンブリッジ回路(フィラメントの抵抗変化を測定)に不均衡が生じます。これにより濃度に比例した電気信号が生成されます。
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荷電粒子 電子捕捉検出器
(Electron Capture Detector)
ECD 電子捕捉検出器(ECD)とは、主にガスクロマトグラフィー(GC)で一般的に使用される高感度な検出器です。特にハロゲン(塩素化殺虫剤、臭素化難燃剤など)、ニトロ基などの電気陰性官能基を含む化合物の検出に使用されます。
イオン電流によって生成された電気信号を測定します。
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イメージ イメージセンサ
(Image sensor)
- イメージセンサとは、検出素子が2次元に配列された画像を得るための検出素子のことです。CCDやCMOSなどのイメージセンサが一般的に知られカメラなどに使われています。 -
イメージ フラットパネル検出器
(Flat panel detector)
FPD フラットパネル検出器(フラットパネルディテクタ)とは、放射線画像を得るための検出器です。以前は、フィルムで撮影して現像する必要がありましたが、リアルタイムでX線の撮影が出来るようになり、医療用だけでなく工業用にも普及しています。詳しくは、 X線フラットパネルディテクター(FPD)をご覧ください。 -
イメージ フォトダイオードアレイ
(Photodiode array detector)
- フォトダイオードアレイとは、フォトダイオードが一列に並んだ検出器を指します。ラインセンサなどとも呼ばれています。インラインの検査装置などで使われています。 -
イメージ イメージインテンシファイア
(Image intensifier)
I.I. イメージインテンシファイアとは、微弱光を増幅して画像を得る真空の検出器です。
ナイトビジョンなどのイメージインテンシファイアでは、暗闇でも視界を得ることが出来ます。また、X線用のイメージインテンシファイアでは、入射面でX線を電子に変換し、信号を増幅して蛍光体にX線画像を映し出します。フラットパネルディテクタが普及したことによりX線のイメージインテンシファイアはほとんど使われなくなりました。
1kV~30kV
放射線など カロリーメーター、マイクロカロリーメーター
(Calorimeter, Microcalorimeter)
- カロリーメーターやマイクロカロリーメーターと呼ばれる検出器は、光や放射線が物体に吸収されるとわずかに上昇する温度からエネルギーを測定する検出器です。極めて分解能が高く素粒子物理学やX線分光で使われています。 -
用途 チェレンコフ検出器
(Cherenkov detector)
- チェレンコフ検出器とは、チェレンコフ光を検出するための検出器です。高エネルギーの荷電粒子が、媒質中をすすむと進行方向に円錐状のチェレンコフ光が放出されます。チェレンコフ検出器は、高エネルギー物理や天文学、粒子物理の分野で使われています。 -
用途 レーザーレンジファインダー
(Laser range finder)
- レーザーレンジファインダーはいわゆる測距器。レーザー距離計やレーザー測距器とも呼ばれ目標までの距離測定に使われている。主にゴルフ用の距離計がレーザーレンジファインダーと呼ばれている。 -
用途 二次電子検出器
(Secondary electron detector)
SED 二次電子検出器(SED)とは、 走査電子顕微鏡に用いられる検出器です。電子ビームを照射(走査)した際に発生する二次電子を検出し画像にします。集束電極とシンチレータ、光電子増倍管で構成され、それぞれに高電圧が必要です。 PMT
コレクタ電圧:+300V
シンチレータ電圧:+10kV
用途 反射電子検出器
(Backscattered electron detector)
BE,BSE 反射電子検出器とは、 走査電子顕微鏡に用いられている検出器の一種です。試料に電子ビームを照射した際に発生する反射電子を検出し画像にします。反射電子検出器は、オブジェクトレンズの先に配置されています。4分割されたシリコン検出器が使われています。 5V~20V
用語解説
日本語名称
(英語名称)
概要
蛍光体
(Phosphor)
蛍光体とは、入射した光の波長(エネルギー)を特定の波長に変換して発光する物質のこと。冷陰極管(CRT)のスクリーンや蛍光灯などで使われている。代表的な蛍光体は、P20,P22,P43など番号で呼ばれている。
蛍光、燐光
(Fluorescence)
蛍光や燐光とは、光や放射線を受けた物質が特定の波長を放射する現象です。紙幣の真贋検査や、蛍光X線分析、生物の蛍光標識、鉱物学などで利用されています。通常は、入射した光の波長よりも長い波長を発します。(ブラックライトによる紫外線を照射すると可視光で発光する状態)
発光
(Luminescence)
発光には、いろいろなタイプがあります。炎など熱による白熱光ではなく、冷光をルミネッセンス(発光)と呼びます。カソードルミネッセンスや化学反応による発光、エレクトロルミネッセンスによる発光ダイオード(LED)、フォトルミネッセンスによる蛍光などが有名です。
分光
(Spectroscopy)
分光とは、物質が放射または吸収する「光」を波長に分割することです。元々は光をプリズムあるいは回折格子でその波長に応じて展開することを分光と言い、分光された光をスペクトルと呼んでいました。分光法は、赤外線(IR)、可視光線、紫外線 (UV)、X線、ガンマ線などの電磁スペクトルを分光器で分光し、物質を構成する分子固有の波長(スペクトル)を見つけることで、物質の成分や特性を定量的・定性的に分析する方法です。
波長
(Wavelength)
波長とは、光の周期を表す単位です。380nm(紫)から780nm(赤)の波長の範囲が可視光とされています。波長は、エネルギー(エレクトロンボルト、eV)に換算できます。真空紫外よりも短波長領域では主にキロエレクトロンボルト(keV)やMeVが使われます。逆に、赤外領域では、周波数が単位として使われます。
光子(フォトン)
(Photon)
光子(フォトン)とは、素粒子の一種で、光(電磁波)を粒子と考えた場合の名称です。
電子(エレクトロン)
(Electron)
電子(エレクトロン)とは、素粒子の一種で、原子核を構成する要素のひとつで、負の電気量を持ちます。
イオン
(Ion)
イオンとは、原子が電気を帯びた状態を指します。電子と陽子が釣り合った状態を中性と呼び、電子が少ない状態を陽イオン、電子が多い状態を陰イオンと呼びます。
放射線
(Radiation)
放射線とは、物質から放出される粒子や電磁波の総称です。アルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線、中性子線が放射線に含まれます。
ガンマ線
(Gamma ray)
ガンマ線とは、放射線の一種で、原子核の遷移から発生する電磁波です。
ちなみにX線は、原子の軌道電子の遷移により発生する電磁波で、発生場所により、ガンマ線とX線を区別します。
中性子
(Neutron)
中性子とは、原子核を構成する無電荷の粒子です。原子核は中性子と陽子で構成されこの2つは核子と総称されています。自由な中性子は、平均寿命約15分でベータ崩壊して陽子になります。
素粒子
(Elementary particle)
素粒子とは、物質を構成する最小単位のことです。物質は原子よりも小さな素粒子で構成されています。