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技術コラム

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用途別に最適な高圧電源を選定するための実践ガイド

X線管用電源の選定は、まず装置の「目的」を明確にし、X線管を選定することから始まります。
X線管は、用途に応じていろいろな種類があり、XRF分析装置、XRD装置、CT検査装置、食品異物検査装置では、要求される性能は大きく異なります。

必要な管電圧、管電流、出力の安定度、X線管の構造や極性と接地は、装置の感度や分解能、安定性、タクトタイム、長期信頼性などの性能に直結します。

本記事では、XRF、XRD、CT/NDT、食品検査の4用途について、X線電源の選定ポイントを用途別にわかりやすく解説します。

用途別 推奨X線管と電源要件

用途 代表的なX線管 接地 代表
電圧
電力
レンジ
重視すべき特性 おすすめの
電源
XRF-EDX (EDXRF) 密閉管、エンドウインドウ管、ミニフォーカス管 カソード接地 20-60 kV 30-100 W 低リップル、安定性、再現性 HXR, HXRR, HXRT
XRF-WDX (WDXRF) 密閉管、エンドウインドウ管、水冷式X線管 カソード接地 20-60 kV 1-4 kW 安定性、低リップル、再現性 XKgR
XRD ガラス回折管、セラミック回折管 アノード接地 20-60 kV 1-4 kW 超低リップル、長期安定性 XPgR
CT / NDT マイクロフォーカス管、開放管 両方式あり 80-160 kV 50 W-4 kW 微小焦点、焦点安定性 XPgR, XKgR, OEM
食品検査 ガラス管、長寿命密閉管 主にアノード接地 40-120 kV 300 W-2 kW スループット、長寿命 XPgR, XKgR, OEM

さらに詳細なX線管の種類と電源については、技術コラム:「X線管の種類と電源」をご覧ください。
その他のX線用途例については、X線電源アプリケーション一覧も併せてご覧ください。

XRF:低ノイズと強度再現性を最優先

蛍光X線分析(XRF)では、最も重要なのはX線強度の時間安定性です。EDXRFでは、1回の測定時間が数秒から5分程度ですが、WDXRFの定性分析では数十分かかります。ppmレベルの元素分析では、わずかな高電圧変動でも蛍光強度に影響し、定量値のばらつきにつながります。時間安定性だけでなく、同じ試料をいつ測定しても同じ測定値になるような再現性も重要です。また、非常に高感度のX線検出器を用いるため、電源のノイズの少なさも選択の重要なポイントです。

  • 検出下限の安定化
  • 膜厚測定の再現性
  • 校正ドリフト低減
  • 測定間ばらつきの抑制

卓上型蛍光X線分析装置や膜厚測定器、OEM用途では、HXRHXRRHXRTシリーズが、フィラメント電源内蔵・小型設計で最適です。
ハンドヘルド型XRFなどさらに小型のX線管用電源は、お気軽にお問合せ下さい

XRD:超低リップルと長時間ドリフト性能

X線回折(XRD)では、回折ピークの位置・強度安定性が最重要です。XRDの測定は、数分から長ければ数時間に及びます。そのため、管電圧とビーム電流の時間安定度、温度係数の性能が測定品質を大きく左右します。

  • 超低リップル
  • 長時間スキャン安定性
  • 閉ループエミッション制御
  • kW級連続運転

XRDには用途に応じて複数の構成が存在し、装置仕様も大きく異なります。多目的用途の汎用型XRDや、卓上型、小角X線散乱(SAXSシステム)、残留応力測定、薄膜材料や単結晶X線構造解析など多岐にわたります。一般的なXRD用途には、XPgRシリーズが、最大4kW・フローティングACフィラメント電源内蔵で最適です。そのほかのXRD用高圧電源についても、お気軽にお問合せ下さい

マイクロCT / 非破壊検査装置:微小焦点・低ノイズ

産業用CTや非破壊検査装置で用いられるマイクロフォーカスX線管は、低ノイズで安定した出力の高圧電源が必要とされます。また、加速用の高圧電源や熱電子を発生させるフィラメント用電源だけでなく、電子ビームを集束させるためのグリッド用のフローティング電源も必要になり、複雑な構成の多出力の電源ユニットが必要です。CTでは、スキャンの間に、X線の強度や焦点が変化するとアーチファクト(CTのノイズ)の原因になるため、低ノイズと高い安定性が必要です。

  • 低ノイズ
  • 管電圧と電子ビーム、管電流の安定性
  • 焦点サイズ、位置の安定化
  • 温度安定性

マイクロCTやX線非破壊検査の電源は、X線管に合わせた専用の高圧電源が使われます。お客様の要望に合わせた専用の高圧電源については、お気軽にお問い合わせください。マイクロフォーカスX線管の評価には、電子ビーム用高圧電源のHEBシリーズをご利用いただけます。また、ハイパワーカソード接地X線管にはXKgRシリーズも有効です。

食品検査:長寿命と連続安定性

食品異物検査では、X線管と高圧電源が一体になったX線源のユニットが用いられます。ライン稼働中は、連続出力されるので長時間連続運転の信頼性が重視されます。

  • ライン速度変化への高速応答
  • 安定した出力
  • 長寿命・長期保守
  • 安全インターロック連携

食品検査用のX線管と高圧電源は、多くの場合一体になっています。そのため、汎用的な製品はあまりなく、検査装置専用のX線源ユニットとして設計、製造されています。

高圧電源の選定前に確認すべき事項

  1. 必要な管電圧は何kVか?
  2. 必要な管電流やパワーは?
  3. アノード接地かカソード接地か?
  4. 高電圧コネクタの形状や接続方法は?
  5. 必要な安定度は?
  6. 検出器はノイズにどれだけ敏感か?
  7. 使用環境温度や温度係数は?
  8. OEM組込みサイズや通信IF要件はあるか?

用途別 推奨Matsusadaシリーズ

用途 推奨シリーズ
小型XRF OEM HXRHXRRHXRTシリーズ、OEM
WDXRF OEM XKgRシリーズ、OEM
ハイパワーXRD XPgRシリーズ、OEM
マイクロCT / NDT XKgRシリーズ、OEM
全ラインアップ X線電源一覧

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X線管の接地方式、フィラメント仕様、安定度、多出力構成、高電圧ケーブル、コネクタは用途ごとに異なります。XRF、XRD、CT、食品検査装置向けのOEM設計については、お気軽にご相談ください。