クリーンブース導入のヒント（クリーンブース・クリーンルームをご検討の方）

（掲載2019/03/27 最終更新2022/11/14）

クリーン化の広がり

クリーン化のニーズはあらゆる業界で広がり続けています。製品の歩留まりを改善し、品質の向上を図るための対策としてはもちろんのこと、お客様へ与える安心感、信頼感を得るためにといったニーズが増えているためです。また、従来は、クリーン化といえばクリーンルームを設けるという考え方が一般的でしたが、最近では局所クリーン化という技術が開発され普及しつつあります。
局所クリーン化とは、清浄度の必要な場所だけを囲ってクリーン化することです。この技術によりイニシャルコストやランニングコストを大幅に削減することができます。局所クリーン化技術によって、よりクリーン度の高い環境が低コストで実現できるようになり、今まで導入されていなかった業界にもクリーン化の拡大が続いています。

クリーン度に関する各種規格

クリーン度を表すのにクラス100とかクラス1000などの表現が使われます。
これは米国のFED-STD-209Dという規格で定めた清浄度の表現を使用しています。
ちなみにこの規格は2001年11月に廃止されているのですが、未だにこの規格の表現を使用するのが一般的となっているようです。
クリーン度を表すのには各国に様々な規格があるようです。主な規格には以下のようなものがあります。

日本	JIS B9920
アメリカ	FED-STD-209D
国際規格	ISO14644-1

規格とクリーン度の比較

FED-STD-209D	JIS B9920	ISO14644-1
クラス 100	クラス 5	クラス 5
クラス 1,000	クラス 6	クラス 6
クラス 10,000	クラス 7	クラス 7
クラス 100,000	クラス 8	クラス 8

※比較表の横の列はクリーン度が同じであることを表します。（多少の差異があります）

求められるクリーン度(業種別)

業種や工程によって求められるクリーン度も様々です。以下は一例です。

分野	製品	クリーン度(FED-STD-209D)
半導体	半導体(前工程)	クラス 1 - 100
半導体	半導体(後工程)	クラス 1,000 - 100,000
電子機器	磁気ディスク	クラス 10 - 10,000
電子機器	液晶、PDP	クラス 1 - 10,000
光学	レンズ	クラス 10 - 10,000
光学	フィルム	クラス 100 - 10,000
精密機器	時計、カメラ	クラス 100 - 100,000
食品	食品加工	クラス 100 - 100,000
医薬品	医薬品	クラス 10 - 100,000
印刷	精密印刷	クラス 10,000 - 100,000
樹脂成型	樹脂成型	クラス 1,000 - 1,000,000
電子部品	ハイブリッドIC	クラス 1,000 - 10,000
	電子部品	クラス 100 - 10,000
	プリント基板	クラス 10,000 - 1,000,000
	基板実装	クラス 100,000 - 1,000,000
一般オフィス		クラス 100,000 - 1,000,000

クリーン度と換気回数

クリーンブース（乱流式）のクリーン度は、換気回数によって設定しています。
換気回数とは、1時間に何回クリーンブース内の空気が入替るかという事です。

クリーン度(FED-STD-209D)	ISO規格	JIS規格	松定プレシジョン
クラス1,000	70 - 160	30 - 90	100 - 130
クラス10,000	30 - 70	20 - 40	50 - 75
クラス100,000	10 - 20	10 - 20	20 - 30

クリーン度と浮遊粒子

クリーンルーム内に浮かんでいるほこりなどの大きさと数がどの位なのかは規格ごとに規定されています。
ISOの規格では、以下の表の様に規定されています。

ISO清浄度クラスと最大許容粒子濃度 (個/㎥)
清浄度	粒径
清浄度	0.1µm	0.2µm	0.3µm	0.5µm	1µm	5µm
1クラス	10	2
2クラス	100	24	10
3クラス	1,000	237	102	35
4クラス	10,000	2,370	1,020	352	83
5クラス	100,000	23,700	10,200	3,520	832
6クラス	1,000,000	237,000	102,000	35,200	8,320	293
7クラス				352,000	83,200	2,930
8クラス				3,520,000	832,000	29,300
9クラス				35,200,000	8,320,000	293,000