電子写真プロセス

1. 帯電工程 (Charging)

感光体ドラムの帯電は、印刷プロセスの最初のステップです。光が当たると電気抵抗が変化する「感光体」でコーティングされたドラムの表面全体を、均一に帯電させます。この工程には、主に2つの方式があります。

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コロナ帯電 (Corona Charging)

ワイヤーに高電圧を印加してコロナ放電を発生させ、そこから生じるイオンでドラム表面を帯電させる非接触方式です。この放電を発生させるためにコロナ発生器 (Corona Generator) が用いられます。より均一な帯電を実現するために、グリッド電極を追加したスコロトロン帯電器 (Scorotron Grid Supplies) も使用され、これらのデバイスには安定した高圧電源の供給が不可欠です。

2. 露光工程 (Exposure)

帯電した感光体ドラムに、印刷したい画像や文字のパターンを光で照射します。光が当たった部分だけ電荷が除去（あるいは減衰）され、ドラム表面に静電気による目に見えない「潜像」が形成されます。

レーザープリンタでは、レーザー光を高速回転するポリゴンミラーで反射させ、ドラム上を走査（スキャン）することで潜像を描きます。

LEDプリンタでは、レーザーの代わりに直線状に並んだLED（発光ダイオード）ヘッドを用いて、よりシンプルな構造で潜像を描画します。

3. 現像工程 (Developing)

潜像が形成されたドラム表面に、帯電させたトナーを近づけます。すると、潜像（光が当たった部分）と、それ以外の部分との電位差によって、トナーが潜像部分にのみ選択的に付着します。これにより、目に見えるトナー像が形成されます。
このとき、現像ローラー（ディベロッパーローラー, Developer Roller） には、トナーの付着をコントロールするためのバイアス電圧が印加されます。鮮明な印刷品質を得るためには、このバイアス電圧を極めて高精度に制御する必要があり、低ノイズ・高安定な高圧電源が求められます。