X線検査装置は、さまざまな産業などで使用される検査装置です。導入することで、効率的な不良判定やトラブルの早期発見ができます。
この記事では、X線の基礎知識から検査時の撮影のコツまで幅広く解説します。また、弊社の各種X線検査装置も最後にまとめて紹介しています。
X線検査について知識を身につけたい方から実務で活用したい方まで、ぜひ最後までお読みください。
X線の基本
X線検査は、工業分野、医療分野、食品業界ほか、さまざまな場面で活用される重要な検査です。ここでは、「X線とはどういうものか」について解説します。
X線とは?
X線は電磁波の一種です。電磁波にはX線の他に、可視光線(光)や紫外線、赤外線、マイクロ波などの電波といったものも含まれます。次の図でもわかるように、X線の波長は0.001nm~10nmで、目で見える可視光線の波長や紫外線の波長よりも短くなっています。
光はモノがあると遮られその先には届きませんが、X線は、波長が短く大きなエネルギーを持つので、物質を構成する原子を通り抜けることができます。ただ、すべてのX線がそのまま通り抜けて来るわけではなく透過する際に減衰します。X線が原子核の周りを回る電子と当たると様々な相互作用(光電効果・特性X線放射・非弾性散乱など)が起きるからです。そうした現象の起きなかったX線が直進し透過X線となります。これは透過作用と呼ばれ。レントゲン写真や非破壊検査に応用されています。さらにX線CTでは、360度回転させて得られた透過画像から断面画像や立体画像を得ることができます。透過X線の線量が多いほど、撮影画像に明るく白く写ります。逆に減衰した部分は暗く黒く映ります。影絵をイメージするとわかりやすいでしょう。コントラストはX線が撮影対象を透過した後のX線透過強度の比で、X線質、実効原子番号、密度、被写体の厚さ、散乱X線などの影響を受 けます。よって、照射するX線の質を綿密に制御する必要があります。
X線の発生の仕組み
X線源とは、X線を発生させる真空管のことです。X線管ともいいます。
X線を発生させるには、まずフィラメントに電流を流し、フィラメントを加熱します。すると加熱したエネルギーによりフィラメントから熱電子が発生します(エジソンが白熱電球の研究で発見した熱電子放出の現象)。それを高電圧で加速させ、陽極のターゲットに衝突させます。熱電子のうちX線となるのは1%未満で、そのほとんどが熱となります。
X線源は、形状、電源の接続方式などの異なるさまざまなタイプのものが用意されています。
また、X線源は、医療用のレントゲン装置ほかさまざまな用途で利用されています。
松定プレシジョンでは、フィラメントの電源と、加速用の高電圧電源を一体化したX線管用の高圧電源を取りそろえることで、装置の小型化とX線の高エネルギーの両立を実現しています。
X線検査の基本
X線検査の役割
X線検査でさまざまな製品、物体などを破壊、分解することなく内部を観察することにより、製造工程の効率化に大きく貢献しています。非破壊検査とは、文字通り「物を壊さずに」製品を検査する方法です。製品を分解したり、壊したりせずに、内部にある欠陥や劣化を調べるための検査技術で、品質や寿命を評価できるため、導入企業のコスト削減や製品その他の事故防止に寄与します。また、医療分野、食品業界などでも、われわれの暮らしのなかで重要な役割を果たしています。
X線検査の活用分野
X線検査は、主に以下のような分野で活用されています。
工業分野
自動車部品の溶接部分や電子部品のはんだ付け状態の検査、樹脂成型品、精密鋳造、高輝度放電灯などのガラス製品(可視光では光の反射などの影響があるため、透明なガラスの内部にもX線の検査は有効)、ICやプリント基板などの高密度実装の検査に用いられます。工業製品の品質管理、安全確保、業務の効率化、業績向上などに大きく貢献しています。
医療機器分野
ペースメーカー、人工関節ほか、人体に使用される器官の内部構造、カテーテルの検査に用いられます。医療の高度化、医療機器の信頼性向上、私たちの健康のために 欠かせない存在となっています。
食品業界
食品パッケージ中の金属片やプラスチックなどの異物混入検査にも用いられます。食品パッケージの品質管理、安全確保、業務の効率化などに大きく貢献しています。
その他
上記以外にも、研究開発、捜査-鑑識、美術品、真贋調査、リバースエンジニアリング、建築物、インフラ、手荷物検査、アグリカルチャー、種子、考古学、地質学など、広範な分野で用いられています。もはや、われわれの生活の中に欠かせない存在となっています。
X線撮影のコツ
本章では、X線撮影の前に設定するべきポイントや、設定の調整がどのように画質に影響するかを解説します。また、画像の処理・解析についても言及します。さらに、撮影した画像に誤差を与える要因を知っておくことも重要です。
撮影設定
X線撮影を行うのにあたっては、X線に関するさまざまなパラメータや、撮影時の装置の設定と画質の関係を事前に知っておくことが重要です。X線の波長(X線管電圧)や線量(X線管電流)を調整するパラメータが画質に大きく影響するため、理解することが欠かせません。以下で解説します。
(検査装置を選択する時点で、撮影対象に応じた、モニタ倍率、検査視野範囲、焦点サイズ、照射方式も予め決めておく必要があります)
電圧と電流の設定
被写体の大きさ、材質、構造に合わせて、X線管電圧、管電流を決めていく事が鮮明なX線画像を撮るための重要なポイントになります。
管電圧とは、X線管に印加されている電圧のことです。管電圧を高くするとより波長の短いX線が発生し、物質を透過しやすくなります。X線管では、陰極(-)と陽極(+)の間に高圧電源を接続し、陰極から発生する電子を高電圧で加速し陽極に衝突させX線を発生させます。また、発生するX線の全強度は、管電圧の2乗に比例して増倍します。
管電流とは、X線管に流れる電流のことです。管電流を大きくするとX線の線量が増えます。最短波長(最大エネルギー)は変わりません。X線管のフィラメントで発生した熱電子が陽極に衝突し電流となります。X線の全強度は管電流に比例します。管電圧だけで画質を最適化できないときに、管電流の制御で微調整を行います。管電流の制御は、フィラメントの温度(フィラメントの電流)で行います。
X線の透過力だけを考えて管電圧を設定しても、試料によっては透過し過ぎでコントラストが取れなくなることがあります。その際は管電流を大きくしてX線量を増やすことで明るい画像が得られます。 ノイズを低く抑えることが重要です。最後に、管電圧や管電流を増やすと焦点が大きくなり、拡大撮影している場合、画像がボケる場合があるので注意が必要です。松定プレシジョンのマイクロフォーカスX線管は、焦点(X線の発生する部分)をマイクロメーターサイズに小さくすることによって、拡大撮影した場合でもボケないX線画像が得られます。またCT撮影の場合は、一番透過しにくい角度で画像を確認する必要があります。
撮影時間の調整
被写体の撮影時間を変えることで画質の向上を図れます。撮影時間を長くすれば高精細の画像を撮影できます。さほど画質の精細さが必要ない場合は、撮影時間を短くすれば、検査時間を短縮できるというメリットがあります。
CTスキャンでは、試料をワンショットごとにステージの回転を止め断続的にX線照射すると、撮影時間を長くでき、高精細の画像を撮影できます。ステージの回転を止めることなく連続的にX線照射すると、撮影時間を大幅に短縮できます。
被写体の特性
X線撮影では、被写体の特性や大きさに応じた適切な撮影方法を採る必要があります。そのためには、被写体によるX線の透過のしかたについて知っておくことも重要です。
被写体の密度
物質の密度によって、X線の透過率が変化します。物質を構成する元素と厚み、構成する元素の比率に依存します。原子番号と密度の大きいものほど、X線を遮蔽し、撮影画像はより黒に近づきます。また、密度の高低が撮影画像の誤差を引き起こすこともあります。
被写体にX線を照射し、透過したX線の強度を検出することで、外側から見てもわからない被写体の内部構造を可視化できます。透過率が物質の密度や厚さによって変化する特性を利用して、被写体の中の状態を推測できるのです。透過率を計測して画像化することで、異なる物質や構造の違いが明瞭に可視化されます。例えば医療診断や工業用途における異常や欠陥の検出に活用できます。
被写体の材質
被写体の材質によっても密度が異なるため、X線の透過率が変化します。金属のような密度の高い物質では減衰率は高くなる一方で、空気や紙など密度の低い物質では減衰率は低くなります。
そして先述のとおり、原子番号の大きいものほどX線を遮蔽するので、一般にプラスチックと金属では、金属のほうが原子番号大きいので、透過に必要な管電圧の値は大きくなり、より黒く写ります。一例として、BGAの撮影画像を以下に示します。
画像の処理・解析
ここからは、画像処理の基本と、コントラスト調整や三次元解析などの方法を解説します。
画像処理の基本
X線撮影に用いられるX線検出器(カメラ)をX線FPDと呼びます。X線FPDは撮影対象物を透過してきたX線を電気信号に変換し画像にします。最近のX線カメラはフラットパネルが主流で8bit以上の階調を持っています。パソコンでは8bitの階調までしか表示できないのでレンジの調整が必要となります。
X線撮影では、X線を照射した方向から物体を透視した画像が得られるのに対し、CTでは物体に対し任意の断面画像が得られるのが大きな違いです。またX線検査装置では、透過したX線がそのまま画像になりますが、CTはそうではありません。
CTとはコンピュータ断層撮影(Computed Tomography)の略称です。X線を照射し、物体の断面画像や立体像を得るための装置です。CTは多方向からX線を照射し、撮影した画像(2D)をコンピュータで解析します。そうして立体的(3D)なX線像を生成するのが特徴です。
撮影時にワークを回転させることで、多方向から撮影したX線画像(2D)が得られます。X線CTでは、360度回転させて得られた透過画像から、断面画像や立体画像を得ることができます。透過X線画像では、高さ(厚さ)方向の情報がありませんが、CTで取得したデータは、あらゆる方向から確認でき、どの位置からの断面も表示できます。複数のX線画像をソフトウェアにより3D画像に変換します。
CTにおいては、コンピュータを用いてトモグラフィーという断層撮影法の画像処理を行います。この作業を再構成といいます。X線CTそのものの物理的な要因、試料特性、測定方法、データ処理時に発生した誤差やノイズ補正もこの工程で行います。続いて、コントラスト調整や三次元解析などの方法について解説します。
コントラストと明度の調整
撮影画像のコントラスト調整は、ガンマ値と輝度レンジの最適化で行い、明度調整は、ゲイン値、トーンカーブの最適化で行います。撮像時の条件や撮影対象によって、実際の物体ではない、二次的に発生した画像が写りこむ場合があります。これをアーチファクトと呼びます。先述のとおり、物質の密度の高低とX線の減衰率は連動するため、撮影画像の明度が変わることがあり、結果としてコントラストにも影響します。複合材料を撮影した場合、金属部分の周りに発生する連続したノイズが金属アーチファクトです。 対策方法として、CTスキャン撮影時の低減と、画像処理(再構成)での低減があります。
ソフトウェアによる三次元解析
撮影した複数のX線画像(2D)を再構成により3D画像に変換することで、専用のソフトウェアによるさまざまな三次元解析を行うことができます。再構成されたCTデータは、ソフトウェアでボリュームレンダリングされた画像をMPR(multiplanar reconstruction)(※)により3方向の断面や立体画像に変換したものが表示されます。CT画像用のソフトウェアでは、任意の断面観察や計測、リバースエンジニアリング、医療の高度化などが可能です。
再構成、メタルアーチファクト低減といった画像処理から、2D表示、3D表示、解析機能を備えています。被写体の任意断面画像表示や寸法測定 体積・表面積測定などまで行えます。
※MPR(multi planar reconstructions)表示(3次元ボリュームデータの3方向からの断面画像を表示)、GD&T機能(幾何公差)では、3D解析データを用いて、設計値/実測値比較 欠陥解析 肉厚解析などを行えます。
このほかにも、プラスチックなどの樹脂成形品や金属部品、電子部品、電子機器、医薬品、容器、生体など内部の微小な構造を3次元で立体的に確認することが可能です。
いろいろとメリットのあるCTですが、的確な撮影を行うには経験が必要です。
電子機器のX線撮影事例
さまざまな電子機器のX線撮影事例を紹介します。幅広い製品、寸法の被写体に活用できます。
Apple Pencil vs. surfaceペン vs. wacom タブレットペン
Apple Pencilは傾きや圧力を感知するセンサによる滑らかな書き心地ほか多機能が自慢で、内部にも部品がぎっしり詰まっていることがわかります。3種類のペンのなかでは、appleのペンは最も密度が濃いことがわかります。
さらにappleのペンに絞ってさらに撮影したものが以下の画像です。部品の多さと同時に細部まで鮮明に写っていることが確認できます。
USBケーブル
画像は、左からUSB2.0、USBマイクロ、USB3.0、type-Cケーブルを撮影したものです。USB規格で制定されているコネクタ形状としては、type-A、Micro-B、type-A、type-Cになります。バスの数はそれぞれ4、4、6、6本あることが確認できます。コネクタは、type-A、type-C、Micro-Bの順で大きいことがわかります。type-Cは、コネクタに基板が入っていることも確認できます。
各種電池
左から単三のマンガン、アルカリ、ニッケル水素(充電可能)、18650サイズのリチウムイオン電池(充電可能、市販されていない)の画像です。
| 電池の種類 | 構造上の特徴 |
|---|---|
| マンガン電池 | マンガン電池とアルカリ電池の大きな違いである集電体の様子がわかります。集電体の周囲の物質(マンガンと亜鉛)は、原子番号の大きい亜鉛がやや黒く写っています。 |
| アルカリ電池 | |
| ニッケル水素電池 | マイナス極に絶縁チューブが巻かれる構造となっています。 マイナス極はニッケルを使っているので、同じX線量では、マイナス極のほうがより黒く写っています。 |
| リチウムイオン電池 | ケースの中に正極板、負極板、セパレータなどが交互に積層されて構成されています。 |
ノベルティのモバイルバッテリー(モバイル充電器)の画像では、左から、USB端子、回路基板、ソケットが確認できます。基板-ソケット間の配線や基板の穴、配線も確認できます。
ワイヤレス充電器 vs. スマートフォン
ワイヤレス充電器とスマートフォンの画像を以下に示します。
ワイヤレス充電とは、文字通り、配線を使用しない充電方式のことで、コイルの電磁誘導を利用します。ワイヤレス充電器に内蔵されている送電用コイルに電流を流すことにより磁界が発生します。そのなかにスマートフォンを置くことで、スマートフォン内部の受電用コイルには、誘導電流が流れます。このようにして、磁力を電力に変換することで充電が行われます。
スマートフォンの画像を見ると、レンズ、アンテナ、ディスプレイ、回路基板、コネクタなどが確認できます。回路基板の穴やICはじめ基板上の電子部品も確認できます。
ACアダプタ
Apple純正の充電器A1720、USB-PD対応、18Wモデルの撮影画像です。回路基板とその左側のコンセントに差し込むACピン、右側のコネクタ、コードの様子がわかります。回路基板内も高精細に撮影できています。
松定プレシジョンのX線装置紹介
松定プレシジョンでは、さまざまなタイプのX線検査装置をラインアップしています。X線非破壊検査装置は、非破壊で内部を観察できるので電子機器関連分野の品質検査などに利用されています。独自の高電圧技術を元にマイクロフォーカスX線管を開発し、高精細なX線画像による3次元CT画像や自動判定などが可能です。産業用のX線非破壊検査装置やX線CTスキャナのメーカーとして、低価格な製品からハイエンドな製品まで幅広いラインナップを用意しております。導入企業の不具合解析や検査作業の効率化に大きく貢献します。松定プレシジョンのX線検査装置は、長年磨き上げてきたノウハウを活かしたハード/ソフト両面の独自技術により、業界最高クラスの高画質を実現しています。さらに、2次元透視画像以外に、半導体のワイヤボンディングや剥がれの立体的な形状を観察するためのCTスキャン機能(3次元解析)やX線CT検査装置も充実しています。
また、X線の照射方式には縦照射と横照射があり、そのちがいを以下にまとめます。
| 照射方式 | 特徴 |
|---|---|
| 縦照射型装置 | 高さは必要だが場所を取らないのがメリット。卓上タイプと据え置き型の2種類がある。 |
| 横照射型装置 | 場所を取るが、サイズの大きい、または重量の大きな被検体を取り扱うことができる。 |
どのタイプの装置を使うかは、被検体の大きさや重量、場合によっては形状を考えて行う事になります。検査装置を選定するうえで重要になるのは、X線管の管電圧(加速電圧)と透過検査対象物(試料)の構成元素と厚さ、大きさなどです。
卓上型X線透過検査装置(縦照射型)
小型卓上タイプで対象物の内部を非破壊にて観察することが出来るX線透過検査装置です。BGAのボイド観察をはじめとする小さい試料の観察に活用できます。 松定プレシジョンの高圧電源技術により、他社の追随を許さないコンパクトサイズを実現しました。ミニフォーカスX線管を搭載した安価なモデルから、ハイレゾ高画質での観察が可能なマイクロフォーカスX線管を搭載した高性能モデルまでラインナップしています。
precision µB3600
日本No1高圧電源メーカーである弊社が専用に開発した高圧電源と独自開発のX線管を採用することにより、卓上装置ながら据置装置並みの高倍率とハイパワーを実現しました。従来大型装置で行っていたサイズの小さな透過しにくいワークにも対応可能です。
precision µB4600
製造現場で活躍する卓上サイズのX線検査装置です。330×340mmの大型ステージ搭載をしており、卓上サイズながらMサイズ基板の実装検査も可能です。ハイパワーX線管搭載で高い透過力を実現し、卓上機では透過力不足で観察が困難だった試料にも対応。手動操作でステージを動かせるので、使い勝手も良好です。
| precision µB3600 | precision µB4600 | |
|---|---|---|
| 管電圧 | 30-90kV | 40-90kV |
| 最大モニタ倍率 | 136倍 | 6.0倍 |
| 装置サイズ | W:455mm × D:625mm × H:630mm | W:685mm × D:750mm × H:585mm |
| 検査視野範囲 | X:2.6mm × Y:2.3mm ~ X:4.9mm × Y:4.3mm | X:58mm × Y:51mm |
X線透過検査装置(縦照射型)
汎用タイプのX線透過検査装置で、非破壊にて対象物の内部を高倍率に観察することが出来ます。大型のプリント基板などあらゆるサイズのサンプルに対応可能。また、大型電動ステージを備え、見たい箇所を容易に観察できます。傾動対応機種や回転ステージ対応機種では、斜めから360度の観察が可能です。
precision µX7800
据置型マイクロフォーカスX線検査装置において業界最小クラスのサイズながら、従来品よりも高倍率を実現しました。弊社が専用に開発した高圧電源と独自開発のX線管を採用することによりコンパクトながら高倍率の実力、且つX81×Y46mmの広視野での観察も可能となりました。
precision µX8600
傾動可能なX線カメラを傾けることで様々な角度から多彩な撮影が可能です。大型ステージを搭載しているため大きな試料にも対応できます。管電圧130kVの透過力とコンパクトながら様々な検査に対応する装置設計も見逃せません。
| precision µX7800 | precision µX8600 | |
|---|---|---|
| 管電圧 | 30-90kV | 40-130kV |
| 最大モニタ倍率 | 176倍 | 202.4倍 |
| 装置サイズ | W:726mm × D:895mm × H:1400mm | W:1155mm × D:1330mm × H:1440mm |
| 検査視野範囲 | X:3.1mm × Y:1.8mm ~ X:81.4mm × Y:45.9mm | X:2.7mm × Y:1.5mm ~ X:51.9mm × Y:29.3mm |
X線CTスキャン装置(横照射型)
産業用X線CTスキャン装置は、マイクロCTやX線顕微鏡とも呼ばれ、非破壊にて内部の構造を確認することができます。産業用のCTスキャンでは、マイクロフォーカスX線源による高精細なX線透過画像から、高精度のCT画像を生成します。松定プレシジョンのX線CTスキャン装置は、検査対象物をターンテーブルに乗せ、側面からX線を照射し、少しずつ回転させながら角度の異なるX線透過画像を撮影します。撮影されたX線透過画像を高性能なコンピュータで再構成(計算)し、スピーディーにCT画像(断層画像)を生成します。CT画像用のソフトウェアでは、任意の断面観察や計測、リバースエンジニアリングなどが可能です。
松定プレシジョンでは、卓上型のprecision μB4500をはじめ、フルオート設定で誰でも簡単にCT画像撮影が可能なprecision CT9600を用意しています。松定プレシジョン独自技術により、プラスチックなどの樹脂成形品や金属部品、電子部品、電子機器、医薬品、容器、生体など内部の微小な構造を3次元で立体的に確認することが可能です。
precision μB4500
X線透撮影もCT撮影も一台でできるハイスペックな卓上型マイクロフォーカスX線装置です。
一般的な縦照射型のX線装置ではうまく撮影することができなかった液体や粉末の入った試料も、横照射型ならステージに置くだけで簡単に観察できます。X線の透過量の違う材質が混在した試料でも誤差低減機能により美しい画像が取得可能です。コンパクトボディでありながら大きな試料にも対応。装置の天板の一部が開閉するため、高さのある試料でもスムーズな出し入れが可能で、使い勝手も良好です。
precision CT9600
精細さとスピードを兼ね備えた、産業用マイクロCTシステムです。洗練されたデザイン設計により、シンプルな操作で高画質・ハイスピードな3D立体像の可視化を可能にしました。マイクロフォーカスX線と高解像度カメラによりマイクロレベルで内部を可視化し、お客様の迅速な問題解決に貢献します。ほかにも、撮影時間短縮のためのX線照射方法をはじめ画質補正機能、効率化実現のための機能も充実し、操作方法が簡単な点も魅力です。
| precision μB4500 | precision CT9600 | |
|---|---|---|
| 管電圧 | 30-90kV | 40-130kV |
| 最大モニタ倍率 | 63.5倍 | 245.2倍 |
| 装置サイズ | W:570mm × D:665mm × H:625mm | W:910mm × D:800mm × H:1210mm |
| 検査視野範囲 | X:8.5mm × Y:4.8mm ~ X:70.6mm × Y:39.8mm | 最大スキャンエリア:φ70mm × H34mm(ノーマルスキャン時) |
X線インライン自動検査装置
近年、社会的に不良品・不具合品流出問題に対して厳しい目が注がれています。
それらに対するきわめて有効な新しいソリューションをμLine9600が提供します。
高分解能かつ多機能を誇る画像処理システムと自由にロジックを組める自動判定機能を搭載。ワークの種類を問わず『高精細な透過画像』と『高精度のOK/NG判定結果』が得られます。
μLine9600シリーズ
独自の分割構造(特許取得済)により様々な製造・検査ラインへの後付けに柔軟に対応できます。設置面積となる横幅900mm、奥行き1230mmのコンパクトサイズなので、設置に必要なスペースも最小限に抑えることができます。また、独自の画像処理テクノロジーを駆使して人の目に頼らないOK/NG自動判定を実現しました。どの状態をOKにするか、NGにするかのロジックは、自由自在に設定することが可能です。さらに、検査だけでなく透過画像を観ながらのワーク加工もできる大空間構造、エビデンス画像保存&出力機能をはじめとするハード/ソフト両面の使い勝手もセールスポイントです。
X線顕微鏡
μRay8400シリーズ(縦照射型)
管電圧130kVの透過力で金属に覆われた試料も簡単に撮影可能です。奥行450mmの広いステージと扉、試料の出し入れも楽にできます。ハード/ソフト両面からのサポート機能も充実し、初めての方でも簡単かつ安全に観察・解析を行えます。CT機能も搭載可能で、ロット・全数検査も簡単にできます。
μRay8700/μRay8760(横照射型)
精細さとスピードを兼ね備えた、産業用マイクロCTシステムです。洗練されたデザイン設計により、シンプルな操作で高画質・ハイスピードな3D立体像の可視化を可能にしました。マイクロフォーカスX線と高解像度カメラによりマイクロレベルで内部を可視化し、お客様の迅速な問題解決に貢献します。ほかにも、撮影時間短縮のためのX線照射方法をはじめ画質補正機能、効率化実現のための機能も充実し、操作方法が簡単な点も魅力です。