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用途・事例

イオンミリングとは、観察対象の試料の表面にアルゴンイオンビームを照射し、表面研磨やエッチングを行う加工装置です。

一般的に、銅やアルミのような素材に機械的研磨を行うと、破砕や熱ダレにつながります。セラミックやシリコンでは、研磨によってクラックが発生しやすくなります。また薄膜も、従来のような機械研磨が困難でした。しかし、イオンミリング装置で加工することによって目的に応じた試料作製が可能になり、鮮明な観察ができます。

さらに、金属材料の結晶を観察する際には化学エッチングが必要でしたが、イオンミリングであれば、アルゴンイオンにエッチング作用があるため、工数の削減にもなります。また、特に微細な精度でイオンミリングを行う場合には、集束イオンビーム(FIB)加工観察装置を用いて走査電子顕微鏡像(SEM像)観察を行いながら処理を行います。FIBではガリウムイオンビームが用いられます。

イオンミリングは、断面ミリングと平面ミリングに分かれています。断面ミリングは外部応力をかけずに断面を生成できるため、各層の厚さや層構造、表面加工の断面観察に適しています。平面ミリングはイオンビームの照射角度(Θ)を90°に近づけることで凹凸形成を低減した面を生成できるため、機械研磨後の最終仕上げなどに使用されます。

イオンミリングで使用するイオンビームの加速電圧は、1kV~8kVが一般的です。松定プレシジョンではイオンミリングに使われる1kV~10kVを発生させる小型高圧電源を製造販売しています。

イオンミリング
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