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用途・事例

フローティング電源とは、出力をフローティングさせた状態で使用できる電源です。通常の直流電源は、出力端の片側をグラウンド(GND)に接地して使用しますが、フローティング電源は、出力端の片側に別の電源出力を接続することができます。フローティング電源単体の製品内部は、入力側と出力側が高絶縁耐圧になっています。
フローティング電源の主な用途は、質量分析装置の検出器に使われるマイクロチャンネルプレート用電源や、陽極接地型X線管のフィラメント用電源、走査電子顕微鏡(SEM)や透過電子顕微鏡(TEM)のフィラメントやグリッド、バイアス、静電レンズ用の電源、集束イオンビーム装置(FIB)のフィラメント、抑制電極(サプレッサー)、引き出し電極(エクストラクタ―)、コンデンサレンズ用の電源です。
フローティング電源を選定する際は、負荷に必要な電圧と電流(電源容量)と外部のフローティング電圧がフローティング電源の絶縁耐圧以下であることを確認する必要があります。

タングステン型熱電子

この図では、フィラメントの加熱電源とウェ-ネルト用のバイアス電源がフローティング電源になります。

松定プレシジョンでは、フローティング電源として、MDCFシリーズ、MFシリーズを販売しています。また、フローティング電源を内蔵した、X線管用の電源XPgRシリーズ、XPgMシリーズをはじめ、走査電子顕微鏡用電源HMBシリーズ、電子線用電源HEBシリーズ、イオンビーム用電源HIBシリーズをラインナップしています。