出力インピーダンス(Output Impedance、Zout)とは、電源や信号発生器などの出力端子から見た内部インピーダンスを指し、外部負荷に応じて出力電圧がどの程度変化するかを決定する重要な要素です。一般的に、出力インピーダンスは次の式で表されます。
ΔV = ΔI × Zout
ここで、ΔVは負荷電流の変動による出力電圧の変化量、ΔIは負荷電流の変化量、Zoutは出力インピーダンスです。出力インピーダンスが小さいほど、負荷変動に対する出力電圧の変化が抑えられ、安定した電圧供給が実現できます。
良質な安定化電源では、Zoutは数mΩ程度に抑えられており、大きな負荷変動があっても出力電圧はほとんど変わりません。これにより高精度な電子回路や実験装置において、安定した電源供給が可能になります。Zoutが小さい装置は一般的に精度が高いため高価な機器となります。
また、出力インピーダンスはロードレギュレーション(負荷変動に対する出力電圧の安定性)と密接な関係があります。一般的に、Zoutが小さいほどロードレギュレーションの値(%)は良好になり、負荷が変化しても出力電圧が一定に保たれます。逆に、Zoutが大きいと、負荷の変化に伴い出力電圧が大きく変動するため、安定性が損なわれます。
高品質な電源やシグナルソースの選定時には、出力インピーダンスとロードレギュレーションの仕様を十分確認することが重要です。さらに、高周波回路においては、出力インピーダンスと接続先のインピーダンスとの整合を行う必要があります。