インターロックとは、「条件が満たされない限り動作しないようにする」安全確保のための仕組みの一つです。誤操作や予期せぬトラブルから「人」と「設備」を守るための物理的・電気的な仕組みを指します。
1. インターロックの基本概念
インターロックとは、直訳すると「互いに噛み合う」という意味です。特定の条件が満たされない限り、装置を稼働させない、あるいは特定の動作を禁止する仕組みを指します。
例えば、「カバーが開いている間は高電圧を出力しない」「冷却ファンが停止している間はヒーターを加熱させない」といった論理(ロジック)がインターロックに該当します。
2. 「インターロック」と「セーフティーインターロック」の違い
一般的にどちらも同じ文脈で使われますが、厳密には以下のようなニュアンスの違いがあります。
- インターロック
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広義の意味で使用されます。安全目的だけでなく、「工程の順序を守る」ための仕組みも含まれます。
例: Aというスイッチを入れなければBの操作ができない(機器の破損防止や手順の遵守)。
- セーフティーインターロック(安全インターロック)
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より「人体への危害防止」に特化した表現です。国際安全規格(ISO 12100など)に基づき、「人が危険領域にいる間は、危険な動作を物理的に遮断する」ことを目的としています。
特徴: 単なる制御回路の信号ではなく、安全リレーや物理的な強制解離機構を持つスイッチなど、信頼性の高い部品で構成されることが求められます。
3. 電源装置における「インターロック端子」の役割
産業用プログラマブル電源などの背面パネルには、「Remote Interlock(リモートインターロック)」と記された端子台やコネクタが設けられていることが一般的です。
多くの電源装置において、インターロック端子は「接点入力」になっています。
- 閉路(ショート)状態: インターロックが解除されており、電源の出力が可能。
- 開路(オープン)状態: インターロックが作動。直ちに出力を遮断し、操作パネルからのON操作も受け付けない。
工場出荷時には、この端子に「ショートピン(ジャンパ線)」が装着されています。この状態では常に出力可能ですが、安全性を確保するためには、このジャンパ線を外し、外部の安全デバイスへ接続する必要があります。
4. 具体的な使い方と接続例
インターロック端子は、システムの「安全の鎖」を構築するために利用されます。
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ドアスイッチ・安全フェンスへの接続
最も一般的な用途です。高電圧を扱う試験室のドアや、電源を格納しているラックの扉にリミットスイッチ(ドアスイッチ)を取り付けます。
- 構成:扉が閉まっている時だけスイッチがON(閉路)になるように配線します。
- 効果:作業者が誤って扉を開けた瞬間に、電源の出力が強制的に停止します。
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非常停止ボタンとの連動
装置全体の「非常停止(E-Stop)」ボタンの接点をインターロック端子に直列に割り込ませます。
- 構成:非常停止ボタンが押されると回路がオープンになり、電源が遮断されます。
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他の機器との連携(インターロック・チェーン)
複数の装置を連動させる場合、各装置の異常信号(アラーム出力)を直列につなぎ、最後に電源のインターロック端子へ接続します。
例: 冷却水循環装置(チラー)の異常検知 + 換気扇の動作確認 + ドアスイッチ。- 効果:どれか一つでも異常(オープン)になれば、電源が落ちる「安全の連鎖」が完成します。
5. 設計・運用時の注意点
インターロック端子は、システムの「安全の鎖」を構築するために利用されます。
インターロック機能を活用する際は、以下のポイントに留意してください。
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B接点(常時閉)の使用:
インターロック回路は、通常「閉じていれば安全」という論理で設計します。これは、万が一配線が断線した場合でも、安全側に倒して出力を停止させる(フェイルセーフ)ためです。 -
自動復帰の禁止:
ドアを閉めた瞬間に突然高電圧が出力されるのは非常に危険です。インターロックが一度作動した後は、原因を取り除いた上で、再度「手動でスタートボタンを押す」まで出力されないような回路構成(自己保持回路など)を推奨します。 -
電気的ノイズ対策:
インターロック端子は微弱な信号で判定を行っている場合があるため、長い配線を引き回すとノイズを拾って誤作動することがあります。シールド線の使用や、間にリレーを介して絶縁するなどの対策を検討してください。